

『 板の上で動く 』と『 板を動かす 』の違いとその違いを踏まえたシーズン初めのポイント。
秋から始動した技選チームですが、シーズンインした方から質問をいただいたり動画をアップしていただいたりと、早速動き始めています。今日はその8名のメンバーの1人から頂いた質問をシェアしたいと思います。
****** 質問 ****************
・板を動かすを考えることにしました。
朝イチは、踏む意識が強すぎたのか、カリカリバーンで外足がスッポ抜けました。
体を板の上で動かし続けることをし始めてから、板の動きがよくなってきたように思います。
****** 質問ここまで ************
◉ 板の上で動くのとと板を動かすことの違い
まず、【 板の上で動く】ことと【 板を動かす 】ことの違いを簡単ですが解説していきます。
分かっている方も多いと思いますが、今の時期に注意しておきたいポイントとして、後半の話へ繋がっていきますので、復習程度に読んでみてください。まず、【 板を動かす 】というのは、スキーを始めた頃にやったボーゲンの動きが分かりやすいです。
- スキーを開きだしてスピードをコントロールする
- スキーを開きだしてターンコントロールをする
身体を軸として、スキーを動かすことでスキーの角度や方向を変えてスピードやターンをコントロールしていきます。
次に【 板の上で動く 】ですが、大回りで滑っている時をイメージすると分かりやすいです。
- スキーを動かさずに身体を移動させて切り替えを行う
- スキーを動かさずに身体の傾きを変えてターン弧をコントロールしていく
こちらは、スキーを軸として身体を動かしてターン弧や切り替えなどを行っていきます。
この二つの動きは完全に分けて使うというよりは、二つの動きを理解しつつ組み合わせて使えるようにしておくというイメージを持つといいと思います。
動き自体は理解していただけましたか?
実際は解説した通り、スキーを始めた初級の頃は身体を動かすことは少なく、身体を軸にスキーを動かすことが多いです。
これは、初級者にとっては身体を動かすことが足場も不安定で難しかったり、恐怖心等でスピードが出せないために、足を動かしてコントロールしているということが理由です。
そして、慣れてきてスピードが出せるようになってくると、身体を軸として足を動かす方が無駄な動きとなり、競技スキーヤーであればタイムロスになったり、基礎スキーヤーであれば流れが途切れる滑りになりやすいため、足を軸に身体を動かして動いていく。という事になります。
もちろん滑り方よっても二つの操作の割合は変わってきますので、そこは今後動画でも出してみようと思います。
◉ 二つの動きから考える今の時期のトレーニング
では、二つの動きから考える今の時期のトレーニングですが、まず、基本的にはスキーの操作のレベルで言えば、
① 板の上に乗る。を鍛えてから、② スキーを操作する。という流れの方が自然です。というのも、②を先にやってしまうと、そもそもスキーにちゃんと乗れていないので、扱いが雑だったり力任せに滑ってしまっている可能性があります。
① の動きやポジションをしっかりマスターする。これが整えられた状態で② をやると② も今まで以上に安定して楽な力で動かせるため、例えばバーンが良いとこは問題ないのに、カリカリのアイスバーンに行ったら全然滑れない、ということも無くなってきます。
もちろん自分の感覚としては、バーン状態が変われば操作感も変わってきますが、滑れない、感覚がわからないという事はありません。
ということで、シーズン始めは板の上に乗る、板の上に乗って滑る、これを重点的にやってみてください。
例えば、滑りながらジャンプしたり、屈伸してみたり、傾くだけで滑ってみたり。逆に言えば、スキーをなるべく動かさずに滑ってみるという風に考えると色々方法は出てきます。どんな方法があるかな?と考えながら是非やってみてください。
◉ まとめ
シーズン初め、やはり気持ちよく滑ったりすることもいいと思います。ひさしぶりのスキーですから、スピード出してカービングで気持ちよく滑るってスキーの醍醐味ですからね。
ただ、そのまま気持ち良いまま終わってしまうと、なかなか滑りのレベルが上がらなかったり滑りが安定しなかったりと、なかなか前に進めずに悩んでしまう可能性もあるので、この時期だからこそ、基本をしっかりやってみて下さい。
その基本は、スキーを動かす事から始めるのではなく、スキーの上で動くことから始めると次のスキーを動かすということも安定してできるようになってきますので、順番を間違えないよう、そしてそもそも【 板の上で動く 】と【 板を動かす 】この二つのアプローチがあるということを理解しておいて下さい。
それでは、今日も楽しんで滑ってきて下さい^ ^